∴ 珍しい式

夫婦のみの式場。
ここではなぜかいつもどたばたするのに、今回ほんのちょっと地元では珍しい宗教式だと聞いていたので、不安な気持ちで運転していたせいか、朝から道に迷ってしまった。
どうにか着いたけど。

いつもより３０分遅い依頼だったし、派遣も一人だったし、すでにたくさんの人が来られていたし、今回の式の流れを聞かねば・・聞いとかねば・・と思いながらも準備に追われて、何も聞くことができなかった。

駐車場に設けられた受付の方が「寒いので、ストーブ点けてもらってもいいですか？」

雨も降っていて少し肌寒かったこの日、受付横にある、戸外でよく使われる固形燃料式のストーブにはまだ火が点けられていない。

中を開けると、すでに使われた形跡のある固形燃料が入っていて、ポケットからライターを・・　あ・・忘れた。。
社長に火を点けてもらった。

すると今度は、式場の中のファンヒーターの灯油がなくなったということで遺族の方が入れ物を取り出してこられたので灯油を入れようとしたら、血圧計のような昔懐かしいぷしゅぷしゅ～ってするやつだし・・　うちでも電池式の自動だぞ！　この忙しいのに・・　と思っていたら、まだ少ししか入ってないのに灯油がなくなって・・
「奥さん！！灯油があ～～～　ない。。。」

「ええええ～～～、ないの？　上の持ってくるわ」　と事務所に駆け上がった奥さんは
「上のも空っぽー」　　式の間くらいは・・　もつかなあ。。　（＾＾；）

まもなく開式。　
司会者のナレーションが流れ出すと、式場の外の席に座られていた会葬者から、横に置かれたスピーカーから音が出てない事を指摘され、社長に報告すると、「ありゃ出んのよ。でも聞こえるでしょ」　だそうで。。。　わざわざ倉庫から引っ張り出して置いてる意味がわからん。

あれよあれよという間に式が始まり、式場の外に設置していた椅子にも座りきれないほどの人が来られ、駐車場から繋がっている外通路↓は人、人、人でうまっていた。

　　　　　　　　　　　　　　　


キリスト式と神式が合わさったような式はいきなり弔電から始まるし、その次はいきなり献花だし・・　献花の準備はできてないし・・・　奥さんと社長は言い合いになるし・・・。

さっぱりわからないまま、とりあえずお絞りの用意がされていたのでお絞りをまとめて配り、回収し終わって駐車場に戻ってみると白い煙がもくもくと上がっていて・・　く・・臭い。。

受付の横で、社長が新しい固形燃料の缶の蓋を開けている。
大きな業務用ストーブから取り出された使い古しの固形燃料の入っていた缶は真っ黒になっていて、中から煙がもくもくと出てるのに、タバコをふかしながら落ち着いた様子で新しい缶と格闘を続けている社長。

な～にやってんですかあーー！！とも言えず、ただ　げほっ。。　ごほげほっ。。。　

外通路にいた若い会葬者は、ごほごほ咳込みながら笑ってるし・・
数名のおばちゃん達はハンカチで鼻と口を押さえながら通路から外に出て新鮮な空気吸ってるし・・

ようやく開いた新しい缶に火を点け、ストーブの中に入れると、今度は取り出した真っ黒の缶にその場で水をかけた社長。


駐車場と通路には煙がぼわ～っと広がり・・まっちろけ。　　
おまけにすごい臭いももわ～っと広がり・・　臭いやら目は痛いやら・・



ほんとに、珍しい式でした。



　追記。。。

固形燃料ストーブとは、だいたい、こんな感じ

　　　　　　↓

　　
　こんなおされ～じゃないけど。。

　中の炎は見えません。

　一応上に蓋もありますが、蓋の四隅から炎がかなり出る仕組み。

　どこを触っても火傷します。　いや・・燃えます。

　オール鉄板素材。


燃料は、これ　

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